スタッフブログ

不妊症と喫煙についてのお話し

2016年1月10日 日曜日

今回は妊娠中のタバコについて考えたいと思います。
 
 
 
まずは、
 
<タバコの影響について>
 

喫煙の妊娠への影響について、米国生殖医学会(ASRM)から発表資料です。
Fertil Steril 2012; 98: 1400

米国では、生殖年齢の男性の35%、女性の30%がタバコを吸います。
 
喫煙は様々な健康への悪影響がありますが、
 
こと妊娠に関しては一般の認知度が低くなっています。
 

喫煙のリスク 一般人の認識率

肺がん 99%
 
呼吸器疾患 99%
 
心疾患 96%
 
流産 39%
 
骨粗鬆症 30%
 
子宮外妊娠 27%
 
不妊症 22%
 
早発閉経 17%
 
というように、妊娠と喫煙リスクにかんしての認識は他の疾患に比べ
 
かなり認識が低い事がわかりますね。
 
 
 
実際は不妊に関するほとんどが喫煙によりリスクが増加します。
 
1 .不妊症の13%は、喫煙が原因

2 .喫煙はあきらかに生殖機能を悪化させ、女性の閉経が
1~4年早くなる

3 .喫煙者の男性の精液所見は22%低下し、タバコの本数に比例する

4 .喫煙は、流産と子宮外妊娠のリスクを増加する

5 .喫煙による胎児(受精卵)奇形率の増加が一因となる

6 .喫煙者は体外受精で妊娠するには、非喫煙者の2倍の回数を要する

7 受動喫煙が多い方は喫煙者と同等になる
 


では最後に
 
昔も今もタバコを吸っていても妊娠する方は大勢います。

 
しかし、妊娠しにくい方にとっては致命傷になりかねません。
 
少しでも妊娠率をよくするために、禁煙をお勧めします。
 
禁煙は治療の一環であるという認識を持つことが大切だと思います。
 
 
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Nicon D7000 (シグマ17-50mm f2.8) にて撮影  ↑↑↑ 画面をクリックすると大きな画像になります。

明けましておめでとう御座います。(干支と七草粥について)

2016年1月5日 火曜日

 あけまして、おめでとうございます。

本年も皆様の、健康のお手伝いができるように、

頑張りますので、宜しくお願い致します。

スタッフ一同。

 

 

(申年について)

 

昨年の干支の「羊」は「羊致清和(羊は天下太平をもたらす)」といわれ縁起のいい年でしたが、

今年の干支の「申」は、「申(サル)」が「去る」という意味を表し、

「悪いことが去る」や「病が去る」「病に勝る」

などいいことや幸せがやってくるという年とする一説があります。

ちなみに・・・「申(サル)」は、「伸ばす」という意味があり、「草木が十分に伸びきった時期で、

実が成熟して香りと味がそなわり固く殻におおわれていく時期」を指したようです。

申告(しんこく)や申請(しんせい)という漢字がありますが、

そういう漢字の意味からきているから、だそうです。

 

日本の各地で「申年に赤い下着を贈ると病が治る」「申年に贈られた下着を身に着けると元気になる」

など昔からの言い伝えがあり、現在でも信じられています。

変わったところでは「申年に贈られた下着をこっそりしまっておくと幸せが訪れる」(四国地方)という伝承も。

近畿地方では、申年の申の日に子どもから贈られた肌着を身に着けると、老後を健やかに過ごせると言われています。

ちなみに、今年最初の申の日は一月六日です。

縁起がいいとされる赤い下着。

申年にいいことがあるように、幸運を引き寄せるために、「赤い下着」を両親や兄弟、

大事な人に贈ったり、先生方も身につけてみませんか♪

 

 

(七草粥について)

 

1月7日は七草粥を食べ、疲れた胃腸を休める日本の伝統行事ですね。

元々1月7日は五節句の一つで「人日(じんじつ)の節句」の行事として七草粥が食べられたようです。

※五節句 1月7日 人日

3月3日 上巳

5月5日 端午

7月7日 七夕

9月9日 重陽 ※江戸幕府が定めた式日

 

ちなみに人日とは文字通り 「人の日」という意味のようです。

 

中国は前漢の時代、東方朔が記した占いの書には、

正月1日に鶏、2日に狗、3日に羊、4日に猪、5日に牛、6日に馬、

7日に人、8日に穀を占ってその日が晴天ならば吉、雨天ならば凶の兆しであるとされていました。

ですから、7日の人の日には邪気を祓うために、七草の入った粥を食べ、

一年の無事を祈ったのだともいわれています。

さらに唐の時代には、人日の日に「七種菜羹(ななしゅさいのかん)」という7種類の

若菜を入れた汁物を食べて、無病息災を願うようになりました。

羹は汁という意味で、官吏昇進を1月7日に決めたことからその日に、

七種菜羹を食べて立身出世を願ったようです。

私は昨晩に立身出世を願って添付させて頂いた七草粥を頂きました。今年もこれでばっちりです。

この風習が日本へ伝来し、年のはじめに若菜を摘んで頂戴し自然界から新しい生命力をいただく「若草摘み」

という日本古来の風習と結びついて「七草粥」となり、平安時代の宮中行事として七草粥を食べるようになります。

七草粥に入れるのは、いわゆる春の七草。初春の野から摘んできた野草の生命力を食して、

邪気をはらうということでしょうか。

古来、宮中や神社でもこの日七種の野草を摘む行事を “若菜摘み” といい、多くの歌に詠まれたり、

能楽のワンシーンとしても登場しています。

でもお正月には、まだ野草は芽吹いていないのでは?と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

かつての旧暦でのお正月は、現在の2月頃。まだ寒さも厳しいながら、陽射しには春を感じるころです。

 

長い冬が終わりに近付き、野に出て春いちばんの息吹きを持ち帰る、

七草粥の行事は新しい年が始まる喜びの行事だったと想像できるのではないでしょうか。

そして現代の私たちにとっても、1月7日に食べる七草粥は、おせち料理で疲れた胃をやさしくいたわる、

理にかなった食べ物だといえるでしょう。

 

nanakusa

43歳以上の方の体外受精について。

2015年12月18日 金曜日

もしも、
 
「成功率は2.3%です」とドクターに言われたら、
皆さんはその手術や治療を受けるでしょうか?

 

20%や30%と言われてもなかなか決断出来ないですが、
 
実際には「2.3」%です。

 

この値は、43歳の方の体外受精(IVF)の
 
成功率です(2011年、日本産科婦人科学会調べ)。
 
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女性の社会進出に伴う晩婚化や食生活の欧米化、
 
草食系男子の増加による性交回数の減少等、
 
不妊の原因は様々ですが、
 
全ての夫婦の、実に「31.1%」が不妊に悩んでいると
 
されています(2010年、出生動向基本調査より)。
 
 
およそ3組に1組が不妊に悩んでいる現代社会において、
 
その救世主となるべき高度生殖医療(ART)ですが
 
前述した通りその成功率は決して高いものではありません。
 
いわゆる「卵子の老化」が顕著に現れる
 
35歳での体外受精の成功率は17%となり
 
40歳で7%、45歳になるとその成功率は0.6%と
 
1%も無いという悲しい現実に直面する事となります。
 
 
それでは赤ちゃんを授かる事を諦めるのかというと、
 
事はそう簡単ではありません。
 
「赤ちゃんを授かりたい」という気持ちは
 
一時期的なものではなく、言わば適齢期の
 
本能に根差したところがあります。
 
授かる可能性が低いから諦めます
 
というものではなく、
 
むしろ逆に何としてでも授かりたいという
 
思いを強くしているように思います。
 
そんな「何としてでも授かりたい」という
 
ご夫婦の思いを唯一後押し出来るのが、
 
「東洋医学」です。
 
病状をクローズアップし改善するのが
 
西洋医学とすると、その方の体質に
 
フォーカスし一人一人の体質の個性に
 
即した改善を行うのが東洋医学の特長です。
 
 
子宮内膜症や多嚢胞性卵巣(PCOS)
 
というような病気が明確な不妊原因
 
となっているならば西洋医学の治療も
 
適していますが、「加齢(老化)」という事が
 
不妊原因ならば、東洋医学の方が
 
適しているように思われます。
 
来年の平成28年度より43歳以上の方々には
 
従来支給されていた高度生殖医療(ART)
 
に対しての補助金が打ち切られます。
 
 
そのような妊娠しにくいと言われる
 
40代の方々が大注目しているのが
 
東洋医学に根差したサプリメントである
 
たんぽぽ茶「ショウキT-1」です。
 
学会発表によるとたんぽぽ茶「ショウキT-1」は
 
「卵子の顆粒膜細胞の働きを賦活化する」と
 
言われており、老化した卵子の救世主と言えます。
 
 
たんぽぽ茶「ショウキT-1」は決して
 
安い物ではありませんが、
 
体外受精の施術代金は1回あたり約30万円~40万円です。
 
40歳以上の方々の体外受精成功率は10%を
 
切っていますので、不妊治療に掛かる総額を
 
推測してみると試してみる価値は非常にあります。
 
イギリスのロンドン大学の調査によると、
 
20代よりも30代や40代の母親から産まれた
 
子どもの方が不慮の事故に遭う事が少なく、
 
言語発達や社会情緒的発達も良好だそうです。
 
 
不妊治療というとついつい
 
西洋医学一辺倒になりがちですが、
 
特に40歳以上の方々は
 
たんぽぽ茶「ショウキT-1」という東洋医学に
 
根差したサプリメントの助けを借りて
 
不妊を乗り越え、赤ちゃんを授かって欲しいと心より思います。
 
勇気を出して、お気軽にご相談にいらしてくださいね~。
 
ご来店お待ちしております。
 
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AIHやIVF、ICSIを受けていても,排卵期以外でも性行為を増やしましょう

2015年10月16日 金曜日

ドラッグストアーもりぎん奥田店の大橋です。

 

今回は先日、不妊治療中の性行為についての発表がありましたので

 

発表いたします。店頭ですでに聞かれたかたは復習ようで読んでくださいね~~。

 

たとえ、排卵期以外でも、人工授精や体外受精、顕微授精を受けていても、

 

たくさん性交したほうが妊娠に有利であるという免疫的なメカニズムを確かめた研究結果が発表されました。

 

不妊治療は、たいていは「タイミング指導」からはじまります。それは性交のタイミングが妊娠の確率を左右するからです。

 

ところが、性交の「タイミング」だけでなく、「回数」も妊娠率を左右することが知られています。

 

妊娠の可能性があろうが、なかろうが、すなわち、排卵期以外でも、とにかく、たくさん性交したほうが妊娠しやすくなるのです。

 

その理由として、どうも、女性の身体に備わった免疫システムが関わっているのではないかと考えられてはいましたが、本当のところはよくわかっていませんでした。

 

ところが、アメリカのインディアナ大学の研究チームがそのメカニズムを確かめたとの研究結果を発表して、大変な話題になっています。

 

とても有用な情報、かつ、人間の身体の働きの精巧さを教えてくれて感動的でさえあります。

 

 

 

早速、ご紹介します。

 

免疫と生殖のつなひきとは?

 

 

精子や胚、胎児は女性の身体にとっては「異物」です。

 

ですから、女性の免疫システムは、当然、それらを排除しようとします。これは妊娠、出産することの障害になります。

 

つまり、そもそも、免疫と生殖、すなわち、外からの侵入者を排除し、自分の身体を守る働きと、精子を受け入れ、

 

遺伝的に自分の半分の胚や胎児が成長していくことの間には大きな「矛盾」があるというわけです。

 

ただし、これまでの研究で、精子を子宮の入り口で排除していた頚管粘液の質が排卵が近づくと変化し、

 

精子を受け入れるようになったり、妊娠すると女性の免疫システムが変化し、胎児を守るように働くようになることが知られていました。

 

インディアナ大学の研究チームは、カップルの性行為も免疫システムに妊娠をサポートするような影響を及ぼしているのではないかと考え研究を行いました。

 

 

━ 性行為が免疫システムに及ぼす影響を調べる

 

 

パートナーと活発な性行為のある女性14名とパートナーがいなくて性行為のない女性16名の月経期、卵胞期、排卵期、黄体期の4回、唾液を採取し

 

唾液中の2つの生殖ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)、そして、2つのサイトカイン(インターフェロンγ(IFN-γ)、

 

インターロイキン-4(IL-4))の値を測定し、性行為と免疫システムの関係を調べました。

 

サイトカインというのは、免疫システムの細胞から分泌されるタンパク質で、細胞と細胞の間の情報伝達を行うホルモンのような働きをします。

 

IFN-γは、ヘルパーT細胞のTh1細胞から、IL-4はTh2細胞から分泌され、

 

この2つのサイトカインのバランスを介してさまざまな免疫反応が働いていることが知られています。

 

そして、これまでの研究は、妊娠中はTh2が優位になり胎児を守るような、また、Th1が優位になると流産を起こるような免疫反応が働くことがわかっています。

 

つまり、Th2(IL-4)が優位な状態は妊娠をサポートするような、Th1(IFN-γ)が優位な状態になると妊娠を阻害するような免疫反応が、それぞれ、起こるというわけです。

 

果たして、試験の結果は仮説を支持するような内容で、活発な性交がある女性の黄体期はTh2のサイトカインが優位にあり、反対に性交のない女性ではそのようなTh2の優位性は見られませんでした。

 

活発な性行為は排卵後の妊娠をサポートするような免疫反応を引き起こす働きがあることが確かめられたのです。

 

 

 

━ 人工授精や体外受精を受けていても活発な性行為は妊娠に有利に働く

 

 

性行為をたくさんの回数行うことによって、タイミングだけでなく、免疫システムが妊娠をサポートしてくれるというのです。

 

これまでの研究でも、タイミングをあわせようとするよりも、回数を増やすほうが妊娠率が高くなると報告されていますが、

 

その背景には免疫システムの働きも関与しているはずです。そして、声を大にして伝えたいのは、

 

このことは自然妊娠だけでなく、人工授精や体外受精、顕微授精の治療周期でも同じことが言えるということです。

 

不妊治療を受けるようになると、特に体外受精や顕微授精などの高度な治療を受けるようになると性交回数が減ってしまう現象が報告されています。

 

元々、夫婦間の性交が少なかったから不妊治療を受けるようになったのかもしれませんし、高度治療になると妊娠のための性交が必要なくなると思うようになったのかもしれません。

 

もしも、そうだとすれば、大変、「もったいない」ことです。

 

人工授精でも、体外受精でも、顕微授精でも、たくさん、性交すべきです。

 

そのことによって、子宮内で胚が着床するように身体が後押ししてくれるようになり、少しでも妊娠率の向上に寄与するはずです。

 

 

 

━ 性交は精神的にも肉体的にも生殖機能にプラスになる

 

 

妊娠、出産はカップルの協働作業であることは言うまでもありませんし、不妊治療もカップルで協力し、励まし合い、支え合い、取り組むものです。

 

性交はカップルの関係性を高めます。そして、今回、排卵期以外でも、そして、不妊治療を受けていても、アクティブな性交は妊娠にプラスに働くことがわかりました。

 

つまり、性行為は妊娠を望むカップルにとって、精神的にも、肉体的にも、プラスに働くというわけです。

 

夫婦の「性」を大切にしたいですね。

 

 

・文献:Sexual activity modulates shifts in TH1/TH2 cytokine profileacross the menstrual cycle: an observational study.Fertility and Sterility ARTICLE IN PRESS.

Interaction of menstrual cycle phase and sexual activity predictsmucosal and systemic humoral immunity in healthy women.Physiology & Behavior 2015; 152: 92-98

 

2013-10-07 11.35.39-4

 

横浜 みなとみらい ランドタワーDOGにて撮影