『体外受精児、14人に1人 2019年は過去最多』

2021年9月30日 木曜日

今回はヤフーニュースから2019年度の体外受精の実績が出ておりましたので下記に転記します。

 

 

 

『体外受精児、14人に1人 2019年は過去最多6万598人が誕生』

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/ee29543c86ee32c84ae5042587cb437045c8db56

 

 

 

 

2019年に体外受精で生まれた子どもは過去最多の6万598人だったことが、日本産科婦人科学会のまとめでわかった。

 

18年より3619人増加。厚生労働省の統計では19年の総出生数は86万5239人で、14・3人に1人が体外受精で生まれたことになる。

 

体外受精で生まれた子どもは国内では1983年に初めて報告された。

 

2008年は2万1704人で50・3人に1人だったが、18年には5万6979人で16・1人に1人になっていた。

 

体外受精で生まれた子どもは19年までの合計で71万931人。

 

体外受精は、不妊治療のひとつで、精子と卵子を体外で受精させて子宮に戻す。

 

受精卵を一度凍結し、着床しやすい時期を選んで子宮に戻す方法が主流になっている。

 

19年の体外受精の治療件数は、45万8101件(前年比3208件増)で過去最多だった。

 

年齢別では、40歳が3万8221件で最も多く、39歳、41歳と続いた。

 

 

 

 

体外受精は1回あたり平均50万円と、患者の負担が課題だ。

 

 

体外受精や顕微授精などを対象に、公費から上限30万円の助成金を出す制度があるが、政府は2022年度から体外受精などの不妊治療に対し、公的医療保険の適用をめざしている。

『女性のカフェイン、アルコール、タバコが体外受精の妊娠成績に与える影響について』

2021年9月20日 月曜日

米国生殖医学会(ASRM) にて

 

『女性のカフェイン、アルコール、タバコが体外受精の妊娠成績に与える影響について』

 

Fertil Steril 2018; 110: 587(米国)doi:10.1016/j.fertnstert.2018.05.026

見解が発表されました。発表された内容を要約致します。

 

 

 

 

 

『女性のカフェイン、アルコール、タバコが体外受精の妊娠成績に与える影響について』

 

 

 

カフェインが体外受精に与える影響について調査した疫学(統計)研究5論文のうち1論文だけが、体外受精の出産率低下を示しました。

 

また、アルコールが体外受精に与える影響について調査した疫学(統計)研究6論文のうち3論文は、現在のアルコール摂取が受精率、胚の質、着床率に悪影響であるとしていますが、1年以上前のアルコール摂取の影響はありませんでした。

 

一方、多数の疫学(統計)研究から、現在の喫煙が体外受精の妊娠成績を低下させることが明らかにされています。

 

かつての喫煙者は現在の喫煙者より良好な体外受精の妊娠成績を示しますが、禁煙と妊娠成績の関連は明らかにされていません。

妊娠を目指している方のアルコールとカフェイン摂取には制限を設けるべきであると、米国生殖医学会(ASRM)では以下の指針を提示しています。

 

 

1 妊娠前のアルコール摂取1日1単位(20g)まで、妊娠中のアルコールはゼロ

 

2 妊娠前も妊娠中も中等量のカフェイン摂取1日100~200mgまで

 

3 喫煙は妊娠前も妊娠中も絶対にダメ!

 

これまでの常識とは逆になりますが、このように意見が食い違うのは今までアルコールとカフェインの論文が少なく今回のような大掛かりな調査が今まで無かった事が最大の理由です。

 

結論として、タバコに関しては間違いなくマイナスになりますので、禁煙はもちろんですが、アルコール摂取量の減少に心がけ、カフェインはほどほどに、といった生活習慣が望まれます。

 

ちなみに

 

アルコール1単位(20g)とは

 

ビール換算で500ml(ロング缶)

ワイン換算でワイングラス2杯弱

 

カフェイン摂取1日100~200mg とは

 

インスタントコーヒー カップ2杯~3杯

玉露 1杯

紅茶 5杯~6杯

缶コーヒーブラック 1杯

 

です。

 

『サプリメントの摂り方』

2021年9月10日 金曜日

サプリメントを使う場合、他力と自力をうまく使いわけることが、とても大切だと、つくづく、思います。

 

なぜそのように思うのかと言うと

 

 

 

 

◎体内でつくることが出来ない必須栄養素の場合

 

 

 

栄養素の中には、生きていくのに絶対に必要な栄養素であるのだけれども、体内でつくることが出来ないものがあります。

 

たとえば、ビタミンやミネラルや糖鎖栄養素、必須脂肪酸と呼ばれているオメガ6脂肪酸、オメガ3脂肪酸、そして、必須アミノ酸などです。

 

自分でつくることが出来ないわけですから、当然、食事から摂り入れなければなりません。

 

ところが、食事内容に偏りがあると、不足したり、欠乏してしまうということが起こり得ます。

 

もしも、それらの栄養素が不足したら、健康になんらかのマイナスの影響を及ぼしてしまいます。

 

そのような場合、食事の偏りをあらため、不足を解消すべきです(自力)が、偏りをあらためたとしても、不足を解消するには、そこそこ、場合によっては何ヶ月もの時間がかかります。

 

その間、つなぎ的な役割をサプリメントが担うことになります(他力)。

 

一方、習慣化してしまった食事の偏りをあらためる(自力)のは、簡単なことではないので、食習慣はそのままで、サプリメントを摂り(他力)続けてもよいかなという考える方もあるかもしれません。

 

ところが、これはサプリメント(他力)の間違った使い方と言わざるを得ません。

 

なせなら、サプリメントで補充できる栄養素の不足は解消できても、食事の偏りによるバランスの悪さは解消することが出来ないからです。

 

また、食事の偏りで不足してしまう栄養素を全てサプリメント(他力)で補充できるわけではありません。

 

このように、サプリメント(他力)は食事(自力)で必要な栄養素をとれるようになるまでの「つなぎ」であることを知っておく必要があります。

 

ただし、妊娠前、妊娠中の女性にとって例外が1つあります。

 

それは葉酸です。

 

葉酸だけは、偏りのない食事をしていても、新しい命(胚や胎児)に必要とされる量をまかないきれない遺伝的特徴のある女性が一定割合いるからです。

 

決して病気でも、異常でもないレベルの遺伝的特徴です。

 

そのため、厚労省は妊娠前のすべての女性に葉酸をサプリメントで補充することを呼びかけているわけです。

 

 

 

 

 

 

◎体内でつくられている栄養素の場合

 

 

 

 

生きていくのに必要な栄養素の多くは体内でつくられています。

 

 

たとえば、ミトコンドリアでエネルギー産生に関わり、強力な抗酸化作用を有するコエンザイムQ10やL-カルニチン、αリポ酸などのビタミン様物質、また、ビタミンでありながら、ビタミンDも体内でつくられています。

 

これら以外にも多く存在しますが、これらは、食事からも微量を摂取していますが、必要量のほとんどは体内でつくられています。

 

これらの栄養素の不足は老化を早めたり、いろいろな病気にかかりやすくなってしまいます。

 

そのため、サプリメント(他力)をうまく使えば、それらのリスクを低くすることができるかもしれません。

 

その場合でも正しい使い方を知っておくべきです。

 

たとえば、ビタミンDは紫外線にあたることでつくられます。

 

そのため、極力、アウトドアで過ごし、太陽光にしっかりとさらすべきなのですが、紫外線を浴びることのデメリットもありますし、なにより女性にとっては現実的ではありません。

 

その上、ビタミンDが含まれている食材は限られています。

 

このようにビタミンDは体内でつくられているとは言え、特殊なつくられ方なため、特に現代社会ではサプリメント(他力)を継続的に利用することが有利になると言えます。

 

一方、L-カルニチンのようなビタミン様物質のつくられ方はどうでしょうか。

 

カルニチンは主に肝臓や腎臓でアミノ酸のリジンやメチオニンからつくられていますが、その過程でビタミンCや鉄、ビタミンB6、ナイアシンが関わっています。

 

そのため、基材であるタンパク質はもちろんのこと、ビタミンCや鉄、ビタミンB6、ナイアシンなどのビタミンやミネラルが不足すれば、当然、カルニチンをつくる効率が悪くなってしまいます(自力)。

 

カルニチンは脂肪をミトコンドリアに運びこむ役割を担っていますので、カルニチンの量が減るとエネルギー産生の効率を悪くし、不完全燃焼が起こり、酸化ストレスを招き、細胞の機能低下、そして、年齢以上に老化が進んでしまうことになります。

 

であれば、L-カルニチンをサプリメントで補充(他力)すれば、L-カルニチンの不足そのものは解消されますが、これも部分的解決と言わざるを得ません。

 

もしも、年齢以上に老化が進んでいる原因が、食事の偏りによるタンパク質やビタミン、ミネラルのバランス悪化でカルニチンの産生効率が下がっているのであれば、カルニチンを補充するだけでは不十分なのは誰でもわかると思います。

 

アミノ酸やビタミン、ミネラルは、カルニチンをつくっているだけではありません。

 

カルニチンをつくるのはそれらの働きのほんの一部で、他の働きにも支障が出ているはずです。

 

そのため、カルニチンの補充は問題解決のスタートにしか過ぎず、やはり、食事の偏りをあらためることが必要になってきます。

 

 

 

 

 

 

◎体内でつくることが出来ない体内異物の場合

 

 

 

 

栄養素の中には生きていく上で絶対に必要なものではないけれどもヒトの体内で有用な働き(他力)をするものも少なくありません。

 

機能性成分と呼ばれることもありますが、医薬品に近い食品と言えるかもしれません。

 

たとえば、ピネシアコムオイルなどのポリフェノールがあります。

 

このような栄養素をサプリメントで補充する場合は、誰にでも必要で有用であるわけではないので、必要性や使い方を知ったうえで選択することが極めて大切です。

 

そして、たとえ、有用な働きが期待できる成分(他力)であっても、それによって働くのは身体に備わった機能(自力)です。

 

そのため、備わった機能が正常に働く(自力)には、必須栄養素の過不足がないことが条件になります。

 

このような場合でも、食の偏りをあらためておくことが、サプリメントで補充した成分が役割をはたす上で必須であることがおわかりいただけたかと思います。