今回は超音波検査についてです。
超音波検査はプローブという器具から出る超音波を体に当て、はね返ってきた信号をモニターに映し出す画像の検査です。
プローブを膣内に入れる経腟法と、お腹に当てる経腹法という方法があります。
不妊症の検査ではおもに経腟プローブが使われます。
痛みはなく、初診以降もさまざまな時期に行う検査です。
超音波検査でわかるのは、子宮形態異常、子宮筋腫、子宮腺筋症、不妊と密接な関係があるチョコレート嚢胞などの卵巣腫瘍、卵巣にたくさんの小嚢胞がみられる多嚢胞性卵巣症候群などです。
また、排卵の有無や排卵の時期を知るうえでも重要な検査です。
自然周期では、通常、片側の卵巣に1個の卵胞が発育し、直径が21mm前後になると破裂して排卵が起こります。
破裂した卵胞は黄体へと変化します。
これらの卵胞の発育、破裂、黄体への変化を、超音波検査によってつぶさに観察できるのです。
卵胞の発育に同調して子宮内膜も発育、成熟します。
月経直後の子宮内膜は薄い状態ですが、徐々に厚くなり、排卵時には10mm前後になります。
画像では排卵前の子宮内膜は、白い3本の線に縁取られた黒い木の葉状に、排卵後は全体が白く見えます。
子宮内膜の厚さや見え方から、排卵の時期を推定できます。
排卵期になっても子宮内膜が厚くならない場合は、不妊の原因となります。
超音波検査では、子宮内膜の厚さを確認することも重要です。
簡単にまとめますと、超音波検査は
・子宮や卵巣の内側の様子までわかる
・子宮内膜の厚さを知るにも重要な検査
ということになります。